ビタミンCには風邪を予防する効果がないことが科学者の研究により明らかになったと、英タイムズ紙が報じた(The Times 2005年6月28日)。
55の研究論文を分析した結果、ビタミンCを摂取しても風邪をひく危険性が低くならないことが分かったという。1日に2グラムのビタミンCを摂取した場合と偽薬(プラシーボ)を摂取した場合とで、風邪をひく人の割合に違いがないとのことだ。
豪州国立大学のロバート・ダグラス氏とフィンランド・ヘルシンキ大学のハッリ・ヘミラ氏は、人々が風邪を予防するためにビタミンCの摂取に励むことに疑問を呈しているという。
サプリメントなどでのビタミンC摂取は、ノーベル化学賞を受賞したライナス・ポーリングが奨励して盛んになったことが知られている。